PR NOW

PRで、社会を変える奮闘記。

【社会を変えたPR・LGBT編】露出量903倍?『LGBT』がどのように日本社会に浸透したのかをPRの視点で分析します。

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"日本最大のLGBTの祭典「TOKYO RAINBOW PRIDE」"

"LGBTQの従業員の半数以上が、職場で差別を経験もしくは目撃している —— 最新調査"

"LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は約7割に"

 

多種多様なメディアで、LGBTに関する報道が行われている中、「LGBT」という言葉を、知らない人はいないのでしょうか?

 

LGBTとは、

Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)

Gay(ゲイ、男性同性愛者)

Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)

Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のうちの一つ。

Tokyo Rainbow Paradeより

 

2015年に渋谷区・世田谷区が先陣を切った同性パートナーシップ条例も、3年半で20市区町村・12の都道府県が加入しました。

同性パートナーシップ制度誕生から3年半、9つの自治体が新たに一斉導入。急速に増えている理由は? | ハフポスト

 

これまで認められなかった、当事者たちの声が、ようやく社会へと波及し、国や自治体が課題解決に向けて、本格的な動きが始まりました。

  

しかし、今から10年前の2009年には、LGBTの日本での認知度は

皆無に等しかったことを、みなさんは知っていますか?

 

 2009年と2018年の『LGBT』という言葉がどれくらい使われたのかを比較してみました。

2009年と2018年度のLGBTという言葉の露出量を比較した

△2009年と2018年度のLGBTという言葉の露出量を比較した

< 2009年>

LGBT』という言葉の検索数 :  14,500件

(Google上の検索表示記事数より)

LGBT」と書かれた新聞掲載記事 :   1件

(毎索・日経テレコン21・聞蔵II ビジュアル(朝日新聞)調べ)

  

では、市民・企業・行政の間の認識はどうだったのでしょうか?

・【市民】フジテレビで初の冠番組マツコの部屋』が開始、ホモやゲイという言葉がお茶の間で普通に使われていたが、LGBTの言葉は浸透していない

・【企業】IBM・一部の先進的な外資系企業が、LGBT社員への取り組みを行うに止まる。 

・【行政】地方・国政にLGBTに関する目立った動きはなし。翌年2010年に、石原都知事「(同性愛者について)どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」失言が世間を騒がせた。 

www.fujitv.co.jp

 

 一方で2018年はというと...

検索数 :  1,030,000件

LGBT」と書かれた新聞掲載記事 :   903件

(毎索・日経テレコン21・聞蔵II ビジュアル(朝日新聞)調べ)

・【市民】レインボープライドに過去最大、15万人が参加。「LGBTは生産性がない」杉田水脈議員の発言を擁護した「新潮45」が大炎上し、同紙が休刊に追い込まれたのは、記憶に新しい。

 

・【企業】企業のLGBTに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」が策定され、LGBTの背景を持つ社員が働きやすい企業が、「Ally(アライ)」として名乗りをあげる。日経上場企業も多数Allyへと参加している。

 

・【行政】同性婚カップルを「結婚に相当する」とし、パートナー証明書を発行する「パートナーシップ条例」に9つの区市町村が参加。

www.huffingtonpost.jp

  

9年間の間に、これほどまでに、『LGBT』という言葉が市民へと浸透し、企業・行政が積極的に課題解決に動き出したのは、なぜでしょうか?

  

もちろん、その背景には、社会的認知度が上がる前より活動をしてきた数々の当事者・当事者団体の努力があります。一方で、社会的なムーブメントとなった背景には、情報の巨大発信者であるメディアの存在にも、目を向けなければなりません。

  

Public Relationsの中では、メディアリレーションズ(多様なメディアとの関係性構築能力)が中核的能力である、とされている。なぜなら、多様なステークホルダーへとアクセスをするコミュニケーションチャンネルの機能を持つことと同時に、日本のマスメディアの網羅性・信頼性の高さが強い影響力を持つからです。事実、日本の全国紙は1日分でおよそ3500万部にも上り、世界で有数の発行部数を誇ります。

     

著者は、「日本に逃れた難民と、共に未来を創る」WELgee(ウェルジー)というNPOで、PRを担っています。社会的な認知があまりない、日本に住む難民の方の存在をどのように知ってもらえるのか、という課題にぶつかりました。社会への認知を広めるために、もともとメジャーではないLGBTが、どのように社会に浸透したのか?を分析することは、非常に重要であると感じました。

    

PR NOWでは、2009年から2018年度までの、LGBTを巡る認識の変化がどのようにうまれたのかPublic Relationsの観点から紐解いてゆきます。

   

1) 実際に、著者がどのように分析を行うか?

・各社が提供するデータベースや検索ツールを使用し、『LGBT』の露出量を計測する

・認知度が向上した重要な事件がどこにあるのかを特定する

・その背景に、どのような力学があったのか、主に主要メディア(新聞・ネットメディア)がどのような役割を果たしたのか?という視点から、分析を試みます。

  

2)分析に使用したツール: 

新聞 : 毎索・日経テレコン21・聞蔵II ビジュアル(朝日新聞

テレビ : TVでた蔵 

ネット検索 : Google

  

これから3記事に渡って、特集して行きます!!

荒削りな分析箇所が多いかもしれません。ご意見や感想、ご指摘があればぜひコメントください。

応援、よろしくお願いいたします。